独り暮らしの親にはケアハウスを考えてみて!

元気なうちから入れる施設がある

老人施設というと高額な有料老人ホームか要介護3以上でないと入れない特別養護老人ホームが一般的ですが、年金内で入所可能な経費老人ホーム「ケアハウス」というのがあるのは御存じでしょうか?

老人施設なんて認知症になってから考えるものというのがまだまだ

一般的ですし、何となく暗いイメージがあって敬遠されがちですが、ぽさのふぁんの母は昨年75才でケアハウスに入所しました。

ある日突然、「私、施設に入ろうと思うの。身元引受人になってくれない?」と言って1ヶ月ほどで母の年金で入所可能なケアハウスへと引っ越していきました。

これには絶縁状態の期間が2年ほどあったりと長い言い争いの日々があり、気軽にホイっと決まったことではないのですが、「ここに入れて本当に良かった」と母も言っていますし、ぽさのふぁんも長年の心配から解放されて本当に良かったと思っているので、こんな例もあるよという感じで紹介させて下さい。

ケアハウスとは

入居資格:60歳以上で身寄りがない、家族との同居が難しいなどの状態で自立生活に不安のある人

住環境:個室(夫婦部屋がある施設もある)

サポート:食事あり、生活サポートあり

ぽさのふぁんの母が入った施設は8畳の個室、食事は食堂で食べるが具合の悪い時は個室で食べる、個室にシャワーとトイレあり、大浴場が週に3回利用可、ベットは施設のものを使っても自分の持ち込みでも可、家具は好きなものを設置可。

入所までの争いの日々

入所は簡単に決まったことではなく、長い長い母との言い争いの日々がありました。

母との争いが始まったのはぽさのふぁんが30歳頃だったと記憶しています。

ぽさのふぁんは30才の頃には中学生の子を持つ母になっていたので、子どもや自分の未来を考えたとき、そこには当然老後問題もあり、ふと地方で暮らす親の老後が気になりだしたのです。

というのも、ぽさのふぁんの父と母は年が15才離れており、その時点ですでに父の年金で生活している状態だったからです。

もしも実家が持ち家だったらそんなに心配しなかったかもしれませんが、夫婦2人で2LDKの賃貸マンション暮らし。

お金の管理は母がしていることは知っていたので母に電話をし、「年金はいくら受給してるの?」と聞いてみました。

返答は25万とのことで、地方での2人暮らしなら問題ないレベルかと思いましたが念のため貯金額を聞いたところ・・・

「30万円無いくらい」

え~~~!!!

かなりショッキング過ぎる返答に絶句しました。

提案の日々

そこから長きにわたる説得の日々が始まったのです。

ぽさのふぁんは当時から東京に住んでいたのですが、同居を提案すると自分たちが東京に行くのは嫌だからぽさのふぁんに地元に帰って来いと。

ぽさのふぁんは子供のためにも東京を離れるという選択肢は無かったので断ると、不貞腐れて電話を切られ・・・。

それでも諦めずに東京での同居を説得すること15年。

その間にも、同居が嫌なら安いアパートか市営住宅に引っ越して貯蓄に回すことなどを提案してきましたが、何を提案しても嫌の一点張り。

「最後は迷惑かけないように老人ホームにでも入るから放っておいてよ」が母の常套句で、老人ホームは有料なんて高額で入れないし、特養でも高額で入れない人もいるという話をしても聞く耳を持たず。

いつからか、「同居」「引っ越し」「東京」というワードを出すだけで電話を切られるようになっていました。

状況が変わったのは父の死後。

父が亡くなったことで年金額が14万円に落ちたのです。

そこからマンションの家賃を払ったら食べるだけでギリギリの状態。

もはや母も諦めの心境だろうと再度東京での同居の提案をしたところ、

「この年で東京なんか行ったら友達も作れないしボケちゃうわよ!狭い家で同居なんて冗談じゃない!親が年とったら子供が近くにいるのが普通でしょ!」

と言って電話を切られてしまいました。

この言葉にはぽさのふぁんもひどく傷つき、このまま放っておいたらいつかお金のない母の介護のために自分の人生を犠牲にする時がくる。

最後の賭けのつもりで「聞き入れないのであれば親子としてやっていけない」と伝えたところ・・・母の怒りは凄まじく・・・。

泣いて怒鳴って電話を切り、以降は電話かけても出ない、家に行っても居留守。

絶縁状態が2年間続きました。

それでも親は親

その2年間まったく母のことを考えずに気楽に過ごせたかと言えばそうではなく、やはりいつも心のどこかで心配する気持ちがあり、このまま会わないまま死なれてしまったらという不安と、このまま母の好きなようにさせてあげた方がいいのではという気持ちが入り交じり、どうすることもできないまま時が過ぎたという状態でした。

ところがある日、私の連絡先を知る母の友達から連絡があり、2か月前に母が心筋梗塞で手術したという話を聞かされました。

慌てて母に電話をすると、心配する私に冒頭の「私、施設に入ろうと思うの。身元引受人になってくれない?」という言葉を言ったのでした。

理由を聞くと、「心筋梗塞を患ってから一人暮らしが怖くなり、お風呂に入ることすら死の恐怖を感じるようになった。金銭的にもギリギリでどうしたらいいかと必死に調べたら年金で入れるケアハウスを見つけ、見学に行ったら終の棲家に入りたいと思った。」とのこと。

施設に入ればそれなりに生活の制限はある。

75歳で心筋梗塞を患ったとはいえ他の選択もあるのではないか。

何度も母に確認したが意志は固く、入所には身元引受人が必要で、身元引受人と一緒に契約に行くことが条件だから一緒に行って欲しいとのこと。

連絡を絶っていた2年間に母は地獄のような孤独を味わい、一人ぼっちで悩み苦しみ出した答えがこれだったのかと思うと、申し訳ない気持ちで涙が溢れました。

母が一番大変な時に駆けつけてあげることができなかった・・・

母の望む贅沢な暮らしを東京でさせてあげられる財力が私にあったら・・・

母が少しでも穏やかに暮らせる有料老人ホームに入れてあげられる財力が私にあったら・・・

いろいろな思いがあれど私にしてあげられることは1つしかなく、母の望み通り身元引受人になり、慌ただしく引っ越しを手伝うことになりました。

しか~し!この日の涙を返して欲しいと思うくらい今の母は施設暮らしを謳歌しまくっているのです!!

施設に入ってからの母

施設に入ると他の入居者さんとの付き合いに疲れ部屋に籠るようになってしまう人もいると聞くので、入所以降2日に1回ほどのペースで電話で話すようにしてきました。

嫌な人はいないか、いじめられたりしていないか、まるで子供を心配する親のように気にかけてきたのですが、どうやら自分で選んだ施設なので母には合っていたようです。

すぐにお友達も数人できたようで、日に日に、私が知るどの時代の母よりも明るく穏やかになっていきました。

そして、いつの間にか施設内にボーフレンドができ、今では施設内で事実婚状態!

お揃いの指輪をはめ、一緒に外出してお食事をしたりお買い物したり、そりゃもう楽しく暮らしているようで、あのまま一人暮らしだったら得られなかったであろう楽しい日々のようで、娘としては嬉しい限りです。

母、めっちゃポジティブ~!!!

もちろん、全ての人が施設で楽しく暮らせるわけじゃないと思いますが、ケアハウスの場合は比較的若い入居者が多くお友達が作りやすいと思います。

食事は用意してもらえるので生活の負担も減りますし、24時間スタッフがいて何かあればナースコールで駆けつけてくれる安心感、連絡なく食事に出てこなければ確認してもらえる安心感は本人だけでなく家族も有難いもの。

仕事などで地元を離れて暮らす人が多い今の時代、重大な事態になる前に親の問題は考えておいた方がいいと思います。

ケアハウスというものを知っておくだけで安心材料になるかもしれませんね。

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